そんなワケで学校が始まると、勉強どころか、そもそも学校そのものがぼくの中でどこかへ吹っ飛んでしまいました。一年生のときに学校へ行ったのは、最初のころと、奨学金を貰う手続きの時ぐらいだけで、あとは、トンと御無沙汰。そんなことですから、ぼくが大学一年生のときに取った単位なんてのは、ほとんどナシに等しいぐらいでした。
ところで、ぼくの行っていた学校は、二年から三年に上がる際には、ある一定の単位を取っていないといけなかったのです。そのことを知らなかったぼくは、奨学金を貰う手続きの際、事務のおばさんから、小言を貰うハメになってしまいました。おばさん曰く、“あなた、このままじゃ、三年に上がれないわよ。留年よ。でもね、留年したら奨学金は取り消しだからね!”とのこと。“それは、ヒドイ”と文句を言うと、“あなた、勉強しますといって、奨学金、貰ってるんでしょう。勉強しない人には、出せません”とのこと。
留年ぐらいは、一年間余分に学生をやっていれば済む話。そんなものは、いっこうに構わないのだけれども、そもそも奨学金を切られてしまったら、学生生活を続けられません。自然、退学となってします。そのことを、先輩に相談してみたら、“勉強しろ、バイト、辞めろ”の一言。その次に先輩の口から出てきた言葉は、“バカ!”で、続いて軽蔑の眼差し。ひたすら落ち込むボク。
かくして人生最大の難関に直面したぼくは、さすがに心を入れ直し、二年生になってから、やっと学生らしくまじめに学校に通い出しました。そして、必修科目はもちろん選択課目にも積極的に授業に出て、ちゃんとノートも取り、必死で勉強し、ようやく三年に進級出来るまでの単位を取得することができたのです。ですから、ほとんど二年生の一年間で、二年分の勉強をやってのけたのでした。ほとんど、ダメかなと思ってもみたのですが、人間、その気になってやれば出来るものだと、逆に自信にも繋がったものでした。
でも、最初から、しっかりと計画を立てて勉強してさえいれば、何でもなかったことです。自分のズボラさのために、しなくていい苦労をしてしまったと後悔もしております。